🍎りんご教室レポート:1期第7回 メタボとは?

11月のりんご教室では、「メタボ」の基本を学びました。

健康診断で「メタボ疑い」と言われると、少しドキッとしますよね。しかし、メタボは“病名”ではなく、生活習慣病のリスクが高い状態をまとめて指すサイン。
早めに気づいて対処すれば、十分に戻すことができます!

目次

1. メタボとは?
日本の診断基準では、以下の「腹囲基準」+「血液項目2つ以上」でメタボです。
● 必須:腹囲(ウエスト周囲径)
  男性:85cm以上
  女性:90cm以
  ※内臓脂肪が増えると炎症物質が出やすくなり、
   血圧・血糖・脂質が乱れやすくなります。

● 以下のうち2項目以上(いずれも基準を超えると“危険サイン”)

  • 中性脂肪(TG)150 mg/dL以上 または HDLコレステロール40 mg/dL未満
  • 血圧:収縮期130 mmHg以上 または 拡張期85 mmHg以上
  • 空腹時血糖:110 mg/dL以上

2. メタボが危険と言われる理由(リスク)
  メタボの本当の怖さは「症状がないまま進む」こと。
  気づかないうちに、次のようなリスクが高まります。

● ① 動脈硬化の加速

 内臓脂肪からは炎症物質(TNF-αなど)が放出され、血管の老化を早めます。

● ② 心筋梗塞・脳卒中の確率が上がる

 高血圧・高血糖・脂質異常が同時にあると、血管が詰まりやすい状態に。

● ③ 糖尿病の発症リスク

 インスリン抵抗性が悪化し、血糖を下げにくい体質へ。

● ④ 脂肪肝・肝機能悪化

 中性脂肪が肝臓にたまり、将来的にNASH(非アルコール性脂肪肝炎)へ進む場合も。

● ⑤ 慢性炎症により不調が増える

 疲れやすい、肌が荒れる、免疫力が落ちる、メンタルが不安定になるなど、
 “なんとなく不調”が続きやすいのも特徴です。

3. 今日からできるメタボ対策
  特別なことをしなくても、
  「毎日の選択」を少し変えるだけで大きく改善します。

① 食事:血糖値とインスリンを急上昇させない

  • 白米 → 雑穀米・玄米の一部置き換え
  • 甘い飲み物・菓子パンはできるだけ控える
  • タンパク質を毎食しっかり(肉・魚・卵・大豆)
  • 野菜 → 先に食べる“ベジファースト”
  • 加工食品・揚げ物を減らす

 🔎 医師としてのポイント
   糖質の量だけでなく、「タイミング」も重要。
   夜遅い食事・寝る前の間食は脂肪蓄積を促進します。

② 運動:内臓脂肪を減らす“最強の薬”

  • 1日20〜30分の早歩き
  • 階段を使う・大股歩き
  • 週2〜3回の軽い筋トレ(スクワット・腕立て)

  運動は、血糖・血圧・脂質すべてに良い影響があります。

③ 睡眠:眠れないと太るは本当

  • 睡眠不足 → インスリン抵抗性の悪化
  • 夜更かし → 夜間の空腹で間食増
  • 深い睡眠は食欲ホルモンの安定につながる

  まずは 23時までに就寝 を目標に。

④ ストレスケア:コルチゾール過剰は内臓脂肪の原因

  • 5分の深呼吸や瞑想
  • ゆっくり湯船につかる
  • 軽い散歩
    ストレスは「食欲増強ホルモン」を乱します。

4. メタボ予防の“黄金比”

最も効果が出やすい組み合わせをまとめます。

  • ご飯を半分+タンパク質を倍に、よく噛んで!
  • 1日20分のウォーキングを習慣化
  • 夜の糖質を控える(特に21時以降)
  • 睡眠時間6.5時間以上を確保
  • ストレスの出口を作る(運動・趣味)

この5つを3週間だけでも続けると、
「ウエストがゆるくなった」「朝のだるさが消えた」などの変化が起きやすいです。

5. まとめ
  メタボは“病気の前ぶれ”を知らせてくれる黄色信号。
  放置すれば将来のリスクは高くなりますが、
  正しい知識と毎日の小さな習慣で十分に改善できる状態 です。

  健康診断の数字は、あなたの体からのやさしいメッセージ。
  まずはできることから一つだけ、今日から始めてみましょう。

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