「私はSIBOでしょうか?」
最近、このような相談を受けることが増えました。
栄養療法を少しかじったことがある方なら、一度は耳にしたことがある言葉かもしれません。
SIBO(小腸内細菌異常増殖症)は、小腸で本来より多くの細菌が増え、異常発酵が起こっている状態です。
ガスがたまる、お腹が張る、便秘や下痢を繰り返す…。
そんな症状から疑われることが多く、呼気検査で診断されることもあります。
薬やハーブで細菌を減らすと、一時的に症状が改善する方も少なくありません。
ところが、しばらくすると再発してしまう。
実は、この「再発」がSIBOでは大きな問題なのです。
腸だけを治療しても、また戻ってしまう理由
SIBOは「小腸で起きている現象」です。
でも、その原因は必ずしも小腸にあるとは限りません。
例えば、
甲状腺機能の低下
栄養不足
自律神経の乱れ
消化液の分泌低下
腸の動き(蠕動運動)の低下
こうした背景があると、小腸の細菌は増えやすくなります。
つまり、
「SIBOを治療した」のではなく、SIBOを起こしていた原因が改善したことで、結果としてSIBOも良くなった。
そんなケースが実際には少なくありません。
症状は、お腹だけではありません
SIBOというと、お腹の病気と思われがちですが、それだけではありません。
疲れやすい
頭がぼんやりする(ブレインフォグ)
睡眠の質が悪い
不安感
貧血
PMSの悪化
月経トラブル
血糖値の乱れ
甲状腺機能低下のような症状
など、全身に影響することがあります。
「こんな症状まで腸が関係するの?」
と驚かれる方も多いのですが、腸は栄養の吸収や免疫、ホルモン、自律神経とも深く関わっているため、決して不思議なことではありません。
もっと上流を見る
海外で学んでいる先生方のお話を聞いていて印象的だったのは、
SIBOそのものよりも、なぜSIBOになったのかを重視する
という考え方でした。
例えば甲状腺機能が低下していたとしても、
「では、なぜ甲状腺が十分に働けなくなったのか?」
さらにその背景を探っていきます。
栄養不足なのか。
遺伝的な体質なのか。
慢性的なストレスなのか。
原因は人によってさまざまです。
病名よりも、その人を診る
最近はインターネットで多くの情報が得られるようになり、
「私は○○だと思います。」
と受診される方も増えました。
もちろん、その知識が役立つこともあります。
でも、病名だけを追いかけてしまうと、本当の原因を見落としてしまうことがあります。
SIBOは確かに存在する「病態」です。
しかし、それはゴールではなく、体が出している一つのサインなのかもしれません。
だから私は、
「SIBOを治療する」ことよりも、「なぜSIBOになったのか」を考えることを大切にしたいと思います。
今日の学び
私たちは、つい「病名」を治そうとしてしまいます。
でも、本当に向き合うべきなのは、その病名を生み出した身体の状態なのです。
SIBOは病気ではなく、結果。
もっと上流を見ていく。
今日、私が改めて学んだ大切な視点です。
