気が付けば、ブログを長い間更新していませんでした。
「忙しかったんでしょう?」
と聞かれることがありますが、実は少し違います。
書きたいことがなくなったわけではありません。
むしろ、その逆でした。
10年前、分子栄養学に出会った時、私は「これで探していた答えが見つかった」と思いました。
皮膚だけを診るのではなく、体全体を整える。
栄養状態を改善することで、これまで治りにくかった患者さんが元気になっていく。
本当に感動しました。
でも診療を続けるうちに、また新しい壁にぶつかりました。
栄養療法だけでは説明できない患者さんがいる。
同じように食事を整え、同じように栄養を補っても、良くなる人もいれば、なかなか改善しない人もいる。
「どうしてなんだろう。」
そう思って、私は今、遺伝子や個別化医療を学んでいます。
学べば学ぶほど、人間の体は本当に奥深いと感じます。
正直に言えば、時々思います。
「私は、何をしているんだろう。」
私生活だけを考えれば、十分幸せです。
子どもたちは元気に巣立ち、孫にも恵まれ、主人と穏やかな毎日を過ごしています。
この年齢になって、どうしてこんなに大変な勉強を、自分から選んでいるのだろう。
しかも、保険診療より何倍も手間がかかり、決して効率の良い医療ではありません。
それでも続けている理由があります。
栄養療法を始めてから、学校へ行けない子ども、仕事へ行けない大人、朝起きられない人、原因が分からず苦しんでいる人……。
そんな、現代医療だけでは十分に応えきれない患者さんが、私のところを訪ねてくださるようになりました。
最初は、「栄養療法なら力になれる」と思っていました。
でも、現実はそんなに簡単ではありませんでした。
保険診療では、ガイドラインに沿って最善を尽くしても改善しないことがあります。
もちろん悔しいですが、「今の医学ではここまで」という受け止め方を、どこかでしていた自分もいたように思います。
ところが、自費診療では違います。
患者さんは、藁にもすがる思いで来られます。
時間も、お金も、勇気も出して、私を信じて来てくださる。
そんな患者さんに、
「できることはやりました。でも良くなりませんでした。」
それだけでは終われない。
だから私は、また勉強します。
もっと何か見落としていることはないか。もっと力になれる方法はないか。
そう考え続けています。
逃げた方が楽なのかもしれない、と思わない日はありません。
患者さんにとって、もっと良い医療機関があるのなら、そちらを紹介したい
と思う日もあります。
それでも、この仕事を続けているのは、きっと私は、人が好きだからなのでしょう。
患者さんが笑顔になってくれることが、本当にうれしい。
その気持ちだけは、若い頃から何も変わっていません。
だから、これからは完璧な答えを書こうとするのではなく、学びの途中も、その時々に感じたことも、このブログで少しずつお伝えしていこうと思います。
医学に「これで終わり」はありません。私もまだ学びの途中です。
そんな一人の医師の記録として、お付き合いいただけたらうれしいです。
